人気ブログランキング |
ITコーディネータ 針生徹 の blog
2005年 05月 20日 ( 1 )
| ↑Top  
体系化力ねぇ
昨晩のエントリにも関連しそうだが、IT 専門家の側も悩んでおるのだよね。

arclamp.jp アークランプ: 体系化力?
業務分析をしていると「体系化力」なるものが重要だと気づく。ビジネス書的にはロジカルシンキング。顧客から1時間話しを聞いて「結局こういうことですよね」と1枚のA4紙にかかれた表と5,6点のまとめに集約する力だ。構造化、類型化、分類、整理、ま、総じて分析力というか。
確かにこういうのができる人は少ないねぇ。どうしても技術者は枝葉の実現性に拘ってしまってなかなか全体を俯瞰しようとしない。

ま、技術者に限った話ではないし、ビジネスやソフトウェア以外の場面でも起きる問題ではある。昨日引用した日経 BP の記事を冗長だと言ったのも、修辞が多過ぎて論旨がぼやけてしまっていると感じたからだ。「複数軸を持とう」とすると、ややもすれば興味が発散してしまいがちであり、そこをどう収束させていくか、が問われることになるのだから、そういう実例として記事を書いて欲しかったな。

ブログのような会話的なフローなら構わないし、発散した方が面白いんだけど、そこから現実のビジネスに役立つ情報とするにはやはりどっかで「まとめ」が必要となるだろう。

ただ、これを分析力と呼ぶのはどうか? 分析と言うと要素還元的な印象を持ってしまう。むしろ構想力とか統合力、要するに絵を描く能力だと思うんだが。
これって"物事に対するフレームワーク"の発見ではないかと感じる。複雑系でいうところの「物事のあり方」というか。"物事に対するフレームワーク"というのは、ある範囲の物事に対する"いくつかの軸"であり、それを用いて説明すると、ちゃんと理解できるようにまとまるというものだ。
IT コーディネータプロセスにもある、SWOT や BSC あるいは TOC の TP などは説得力あると思うが、何をパラメータとし、どう関係付けていくか、というのは決まっている訳ではなく、それをビジネス側自身で考えさせるところに意味があるのだから、ここで言っているフレームワークってのとはちょっと違うか。

もちろん、ここから業務プロセスやソフトウェアという、現実のビジネスに適合する解を求めていくときには、パターンに沿って解決案を抽出していくことになるから、何らかの枠組みがあった方が有効だろう。

しかし、少なくとも問題発見のフェーズでは属人的な暗黙知に頼るしかなく、そういう能力を育むには「型破り」な発想こそ求められるのではないかな?
ここから妄想が広がる。ソフトウェア開発においては、実装に落ちるイメージまで含んだフレームワークというのが存在するのではないだろうか。そのフレームワークをつかって仕様をまとめれば、そのまま特定のソフトウェアフレームワークへのプラグインとして開発が可能になるというものだ。
これはあるだろう。と言うか自分なりに作ることになるのだろうけど。

ただし、ソフトウェアの設計→実装ならばともかく、もうすこしビジネス寄りのフェーズに於いてこういう抽象→具象、構想→分析という矢印の向きを逆にしたときに同じフレームワークを使えるとは限らない。

と言うよりも、それで導き出せる境界を越えたところに本来の目的や真の問題が存在するのじゃないだろうか?
で、こういった"仕様と実装のフレームワーク"の構築こそがアーキテクトの役割ではないかと。そのために必要な力を"体系化力"と呼んでみたりして。
なるほどね。体系、つまりシステムだもんな。

だが、ビジネスを体系化した筈の企業というシステムを、現在のような激しい環境変化に対応できるように組もうとする場合、ソフトウェアの仕様と実装というのとは異なる問題の方が大きく、フレームワークを適用できるのか、その前にそもそも構築できるものなのか、ワシは懐疑的ではある。

yusuke さん自身も下記エントリで複雑系に言及され、Kenn さんのコメント、そしてその返事で、「体系化した方法論として使うのは無理」と書いていたね。

arclamp.jp アークランプ: 複雑系と現実(含むソフトウェア開発)

例として挙げられている個体数の算出、あれを逆に結果のプロットから a × N × ( 1 - N ) という式を導き出すのは容易ではないだろう。ビジネスに適用できるフレームワークを構築するってのはそういう事でしょ?

知的欲求として、カオスの中の規則性を追究する姿勢には賛同するが、現実のビジネスでは場当たり的であっても現象に対処しなければならない状況の方が多く、しかもその結果によって元とは異なる状態になってしまうのだから、枠組みを規定するよりは、どんな状況であっても進むべき方向を指し示すビジョンを明確にする方が有効だとワシは考えている。

ま、それをユーザー自身が分かっていないのだから、それを引き出す為の手練手管も含めて、システム構築サービス提供者としては考えていかなきゃならんだろうな。

追記
by HarryBlog | 2005-05-20 14:25 | IT Coordinator | ↑Top  
ページの先頭



針生 徹

Writer's choice
Harry corporation
Study room
Twitter
Facebook
Tumblr


エントリ内容に無関係と判断したコメント、トラックバックは削除します
記事ランキング
最新の記事
開会式
at 2015-01-31 17:53
針生一郎と戦後美術 - 宮城..
at 2015-01-18 17:22
回顧
at 2014-12-27 22:36
プライスレス
at 2014-01-03 07:31
謹賀新年
at 2014-01-02 09:20
蹴球興業
at 2013-09-21 22:27
スマートですかねぇ?
at 2013-08-07 21:42
遭難記録
at 2013-08-04 20:50
リバイバル
at 2013-08-04 11:06
出稼ぎ
at 2013-08-04 10:56
最新のトラックバック
RSS入門生(1):By..
from Rosslyn Papers
Flipboard
from Rosslyn Papers
忘年会
from nest nest
とりあえず
from nest nest
update
from nest nest
水筒
from nest nest
針生一郎さんが亡くなった。
from 今日、考えたこと
針生一郎さん
from 今日、考えたこと
針生一郎氏逝去
from にぶろぐ
針生一郎さん
from 今日、考えたこと
カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル