人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ITコーディネータ 針生徹 の blog
回顧録 (13) :下請け
 前回まで:コンピタンス

日本の中小企業のほとんどは何らかの「下請け」であり、そこからの脱却が叫ばれているが、役割分担としてはそんなに悪いシステムではないと思っている。

全てを備えた「ゼネコン」の社員となるのも一つの生き方だろうが、専門領域の職人として独立した会社の方がパフォーマンスが良い場合が多いのだ。ただ、それを巧く使えるプロデューサーが極端に少ないのが問題であるけど。

どうも、金の流れの順序を上下関係と勘違いしている人が多い。受注側よりも発注側企業の規模が大きいから、なおさら看板だけで威張る担当者ってのが増えてしまうのだなぁ。

そんな下賤には「てめぇでやれよっ!」と言ってやりゃぁ黙ってしまうだろう。自分で出来ないからこそ、こちらへ依頼してきているのである。もちろん他社へ流れてしまい、二度と受注できない可能性もあるが、そんな所は相手にする必要も無い。比較優位のコンピタンスがあれば、そういうことにはならないだろうし。

元請けを通すのは、リスク分散の意味も大きい。特にシステム開発のように長期間経営資源が固定されてしまう業種の場合、入金までの期間・金額を担保できる資金力が無いと大きな仕事は出来ないことになってしまう。

当然、元請けには大きく抜かれるので、自社で直接エンドユーザーから受注するよりも利益率は悪くなるが、販売管理費も含めて総合判断すべき物であって、短期の数字ばかり追うバブルならともかく、生業として続けていくつもりならば分相応を弁えておかなければならない。

個人の報酬にしても同じことである。IT業界には人月単価という悪しき風習があり、手に職のある技術者が SOHO とかフリーランスとして独立すると、企業勤めの給料に比較すれば2~3倍の収入増になるだろうが、これはあくまで「売上」なのだ、ということを忘れちゃならない。

プロスポーツ選手とチームとの契約を類推すると分かり易いかも知れない。常にパフォーマンスを上げていかなければならず、その為の仕込み・維持費用、および怪我等で長期離脱しても食べていけるぐらいの蓄えも考慮すれば、直接人件費の3倍ぐらいは当然、できればそれ以上の値段で売れるだけのコンピタンスを持たなければ回っていかないであろう。

この辺のコスト構造は業種・業態によってだいぶ異なるだろうが、いずれにしても事業をやるからには押さえておく必要はある。下請けとか元請けとか言う受注形態よりも、続けていける利益が残るビジネスモデルが重要なのである。

あり? 回顧録というよりは起業講座みたいになっちまったぞぃ。
by harryblog | 2004-08-14 09:09 | Memoir
| ↑Top  
<< なでしこ ページの先頭 回顧録 (12) :コンピタンス >>



針生 徹

Writer's choice
Harry corporation
Study room
Twitter
Facebook
Tumblr


エントリ内容に無関係と判断したコメント、トラックバックは削除します
記事ランキング
最新の記事
開会式
at 2015-01-31 17:53
針生一郎と戦後美術 - 宮城..
at 2015-01-18 17:22
回顧
at 2014-12-27 22:36
プライスレス
at 2014-01-03 07:31
謹賀新年
at 2014-01-02 09:20
蹴球興業
at 2013-09-21 22:27
スマートですかねぇ?
at 2013-08-07 21:42
遭難記録
at 2013-08-04 20:50
リバイバル
at 2013-08-04 11:06
出稼ぎ
at 2013-08-04 10:56
最新のトラックバック
カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28