会社を設立したばかりの頃は、お盆休みでも必死で勉強していたなぁ。
前回まで:
サービスイン
アプリケーション SE というサービスは飛び込み営業で売って歩ける物じゃないから、どうしても紹介・仲介が必要である。となると、まずは絶対的なコアコンピタンスを確立しなければならない。
中小企業の経営経験に加えてシステム設計方法論を身に付けた第一種情報処理技術者というのは、SE としての市場価値はそれなりに高かったようだが、さらに競争優位性を確保しようと、あるマシンのスペシャリストを目指したのである。
幸い、個人的な繋がりでそのコンピュータメーカーの業務を請け負ったのがスタートだったので、膨大・詳細な技術資料に触れられる立場だった。それらをとにかく片っ端から読み、実験してみて自分の物としていった。
一般的な業務システムではそこまで必要の無いレベルまで、好奇心も手伝って色々試してみる。日中は通常業務に追われているので、お勉強はもっぱら夜間や休日である。
お盆などのまとまった休暇は絶好のチャンスである。とは言っても、コンフィデンシャルは持ち出せないし、当時は自宅からリモートアクセスなど出来ないから、マニュアル類に限られるのだが、それだけでも結構な量である。
一通り読破し、内容の理解はともかく、どこに何が書かれてあるのか、インデックスを頭の中に叩き込む。顧客からの質問とか、自社業務でのケースを想定し、どういう要求にはどの技術を組み合わせると効果が期待できるか脳内シミュレーションを行うのだ。想像通りに出来た試しは皆無であるけどね。
こうして、鬼に金棒の技術力を会得したお陰で、緻密なマーケティングプランなんか無い成り行き任せでも仕事が来るようになった。
ただし、トラブった所の火消しとしてばっかりになってしまうのだが。