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ITコーディネータ 針生徹 の blog
ようやく読了
すぐに注文してからもう一ヶ月以上読んでいたことになるのは昨日書いた通り読みかけで放置していたからなんであるが、はっきり言って疲れる本だ。

対談本だからってこともあるだろうけど、限りなく冗長なのである。テーマが難しく広範囲なのは分かるし、迂遠な対話を重ねていくことでしか見えてこない物もあるだろう。それにしたって各発言が一々長すぎる。

宮台氏はブルセラとか援交とかで名前を聞いたことがあるだけなんだが、こんなに回りくどい人だとは思わなかった。ひたすらオレ様凄いだろ認めてよ厨って印象。

まぁ人文系の学者ってのはウチの親父もそうだから知っているが、符丁のような専門用語と過去の議論の引用が多い所為か、とにかく話が長くて難解だ。そういう前提を共有できる議論相手と読者や聴衆を選べるサロン内ならともかく、対象としている筈の社会へ向けての発信は下手っぴぃだと思う。キミの博学はもう分かったから結局言いたい事は何なの?

で、これを神成氏が噛み砕いて返そうとするからさらに長くなる。神成氏は名前も知らなかったけど、ワシとはフィールドが近いようだし、企業や自治体の現場とも積極的に関わっているからだろう、比べればだいぶ解り易い。が、宮台氏と渡り合えるぐらいには電波入ってるようで、一緒になってエントロピーを増大させていく様子を眺めさせられるのが「計算不可能性を設計する」なんですかぁ?

語り合っている内容自体は面白いし、今後の社会を考える上で避けては通れない問題でもあるのだから、もうちょっと伝える努力をして欲しい。注釈のような括弧書きが余計にセンテンスを長くしており、と言うことは結構後から編集しているのだろうから、ざっくりと贅肉を落とせば本質としては 1/4 ぐらいで済むような内容だと思う。

垂れ流しとか不毛な議論と言えばブログの十八番であるが、そのブロゴスフィアでこの本や二人の名前が話題になるのをほとんど見ないのは不思議だ。冒頭にリンクした通り二人ともブログ書いているのにね。何かしら拒絶する物があるのか、それとも単に届いていないだけか? 下々の戯れ言とエリートの高尚な議論は似ていても別物なんですか、そうですか。

IT 系を仕事とし、生活も首までネットに浸かっているようなワシにとっては彼等の問題意識や今後の可能性と危惧についてはおおよそ納得のいくところではある。しかし、社会的な視座を持ったアーキテクトがトップダウンで設計するシステムが感動を伴った未来を創り出していけるという主張は、それを自認する彼等がこの程度の議論しかできていないのを見ちゃうと大いに疑問を抱く。と言うか、せいぜいセカンドライフのような疑似空間に限定しておいて下さいとお願いしたくなるな。チョネチョネしたいんなら余所でやれ、と。

計算不可能性ってのは設計しないことに意味があるんでないかい?
by HarryBlog | 2007-07-31 12:24 | Diary | ↑Top  
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針生 徹

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