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ITコーディネータ 針生徹 の blog
中小企業のパートナー
私は、家業である味噌・醤油醸造業を継いで以来、経営に携わって二十年以上になりますが、やればやるほど商売の難しさを痛感しています。だからこそ面白いのですけどね。

先代が亡くなった後に来たものですから、従業員をはじめとした関係者の皆さんに教わりながら実務を覚えてきました。顧客や仕入先・協力会社という直接の取引関係だけでなく、銀行のユーザー会、商工会、同業者、町内会等でお付き合いさせて貰った多くの経営者と一緒に飲みに行ったりゴルフをしたりするときの雑談の中で得られたヒントも多いです。いつも皆さん真摯に事業のことを考えていて、いい時には目を輝かせて次に何をしようか熱く語り、うまくいかない時にはどうやってそこから脱するか方策を練ります。常に前を向いて歩き続けようとする姿勢には敬服します。

そんな経営者の皆さんの元気が無くなり、少し薄明かりが見え始めたとは言え、明らかに新しい時代に突入した中で何を為すべきか迷っているのが残念で、なんとか私もITコーディネータとして一緒に考えることで少しでも恩返しできればと思って活動していますが、そのツールとしての経営管理手法や情報技術について、万能薬のような期待を持ってしまうのは危険です。

企業活動は数多くの要素から成り立っていて、しかも生きています。それらに日々発生する問題を解決する手法・技術も色んな物が考えられてきました。正しく使えば効果の大きい物も多いのは確かです。

ただし、中小企業でも使える物かどうかはよく吟味する必要があります。特に欧米発の手法には、多様な民族・文化の労働者に対して均質の成果を上げることを求めて開発され、意図的に個人の属性を捨象した機械論的なモデルの物も多く、社員全員の顔が見える、それも学校の先輩後輩だとか、親の代から顔見知りといった地方の中小企業にそのまま適用できるものではありません。また、右肩上がり時代の大企業のように規模の経済を追求するか、オンリーワンとかニッチやロングテールを狙うのか、といった自社の理念に合致するかどうかも確認しなければなりません。

ITベンダーが勧める製品や有名コンサルタント会社に桁違いの料金を支払いながら全く効果が出ないどころか仕事が増えて従業員のやる気を削ぐような結果になってしまった例が多いのは、上で述べたような経営現場の皮膚感覚と乖離していることが大きな原因でしょう。

良い物はどんどん取り入れた方がいいですが、経営は理論だけではできませんし、コンピュータを導入すれば問題が解決する訳でもありません。それらをうまく使って儲ける仕組みを作ることが目的であり、また経営者だけでなく全員が同じ方向へ意識を合わせられるようにすることも重要です。そして、それが本当に効果を上げているか、目指す所へ向かっているのか、いつでも確認、軌道修正できる柔軟性を持った成長するシステムこそが企業なのですから、常に身近に居て相談できる専門家をパートナーとして選びましょう。

中小企業経営者に最も近い所に居る「経営とIT双方の実践的専門家」であるITコーディネータを是非ご活用下さい。
by HarryBlog | 2006-02-05 14:21 | IT Coordinator | ↑Top  
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