先生はえらい by
内田樹
仕事関連以外の読書自体ご無沙汰ではあったのだが、久々に読み応えのある本に出会ったという感じである。
と言っても、読むのは凄く楽チンなんである。中高生向けらしいから、内容も文体もボリュームも恐ろしく読み易い。
ところが、その簡単に読めてしまう言葉に刺激された脳味噌が勝手に暴走してしまうのが困る。あっと言う間に読み終えた瞬間にもう一度読み直したいと思ってしまうのだ。
教育論とすれば、ワシ自身が考え、実践してきたことと何も違わず、現場がそうなっていない方が異常なだけで、特に目新しさは感じない。
ただそれが、恋愛や交易など相手のあるコミュニケーションに通底する、誤解に基づく問いを立てること、によって駆動されているってのは面白い。
ってか、この本自体を誤読してこんな事を書いてるようじゃ既に毒されちゃった証拠であるのだが。
ブログなんてやっていると実感するね。更新が容易で、次々に読んでいけばその人となりを理解できるような気がしてしまうが、それが誤解だと気付かされるから、また読みたいと思わせられるのだよな。
書く側としても、誤解・誤読を怖れて着飾ってしまうと、自分が何を言いたいのか不明なままで、書いてても面白くなくなるだろう。
書きたいこと、読みたいことが先に決まっている訳ではない。コミュニケーション自体が楽しいから止められないのである。
拙い文章で構わない、オチなんて不要。どんどんさらけ出して大いに誤解される中で、ちょっとは自分が何者なのか見えてくるかもしれない。
ゴミ出しにお墨付きを貰ったような気分だ。わっはっは~