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ITコーディネータ 針生徹 の blog
散逸構造
物を考えたり、行動させる精神活動は、目の上、眉間の裏側辺りに中枢があるような感覚があるが、これは単なる CPU であって、ブートストラップによってロードされた自分という OS に従い、目からの光信号をはじめとする五感の刺激を処理しているだけのように思う。

とは言え、制御する側である自分の意識という物は、ROM に焼き付けられた静的なプログラムなんかではなく、様々な揺らぎの中で不断に再構成を続ける行為そのものなのであり、膨大な記憶を繋ぎ合わせ、そこに意味を付与するにはかなりのエネルギーが必要である。

エネルギーの供給を司るのが丹田、いわゆる臍下三寸である。外部から食物、つまり他の生物組織、大元は太陽エネルギーであるが、これを取り込んで自らの力の元とするのは、脳の無い昔から代謝を根幹として増殖・進化してきた通り、やはり腹の底なのである。

ここで練られた気が、経絡を通って脳も含めた身体中へ運ばれる。化学反応による情報交換媒体となる血液や電気信号を伝える神経のように専用の通路がある訳ではなく、全身の細胞組織を浸す水分によって伝播するのだとすれば、インターネットのような冗長性は確保されており、ある経路に障害があったとしても回避は可能な筈である。

ところが、人間の首ってのはあまりにも細く、迂回経路の余地が少ない。文字通りボトルネックであり、首の筋肉が硬直すると、とたんに脳へのエネルギー供給に支障を来たしてしまう。

中年になると下膨れになるのは、無意識にブロードバンド化しているつもりなのかもしれないが、弛んだ脂肪じゃ抵抗が大き過ぎて導体とは成り得ない。行く手を阻まれたエネルギーは逆流し、腹は膨れ、元気が漲るのは下半身ばかり、というエロオヤジの出来上がりである。

あ、ワシのこととちゃうで。ちゃんとナローネックを心太のように押し出し、知恵熱として燃やしておるよ。それでも、度が過ぎれば持て余してしまうから、日々こうやって燃えカスを棄てなきゃならないのである。
by HarryBlog | 2005-03-23 18:16 | Miscellaneous | ↑Top  
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針生 徹

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