ITコーディネータ 針生徹 の blog
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深いのぅ
それでは、「桜色舞うころ」を解析してみよう。

キーは E♭ だな。イントロはサビのメロディをなぞるというありがちなパターンなんであるが、トニックスケールの主旋律に対してサブドミナントである A♭maj7 の分散和音が追いかけることで調性が曖昧な、まるで桜の花びらが舞っているようだとこじつけられなくもない雰囲気を醸し出している。

で、A♭maj7 → E♭on G → Fm7 → Fm7/B♭ と解決しないまま同じ進行でAメロへ入る。Aメロでは Ⅱ→Ⅴ の所の拍を半分にしてトニックへ戻るが、この循環進行で前後半、そして2番の前半まで繰り返す。イントロからほとんど変化が無いようでいて、ドミナントに ♭5 が入ったり、2番からは薄くハープが対旋律を奏でたり、実は少しずつ季節は動いているのだという感じだな。

そして2番の後半、今度は2小節目をドミナントモーションへ分割している。サビへの入り口となる Ⅱm7 → Ⅴ7 へ向かう前に Ⅲm7 → Ⅵ9 としておいて、Ⅵ つまり C9 の長3度である E の音がダイアトニックでないので、そろそろ来るなという予感をさせるのだな。「すべてを見失い」の「い」の部分である。そしてツーファイブの「あなたへ流れた」となってサビへ。

サビのメロディはイントロで聞き覚えがあるのだが、出だしが前拍で入っているので歌詞の単語の切れ目と音程の変わり目がズレるのが歌うには難しいところかもしれない。音域が上がり、ストリングスに包まれながら抑えていた声を解放するのは気分良さそうだけどね。

上昇を繰り返す主旋律に対して、ベースがトニックから1小節ずつ下降していくコードが割り当てられているが、E♭ → B♭ on D → Cm7 とダイアトニックで来て、続く B♭m7 でトニックの 7th の音が出てくるところから B♭m9/E♭ → E♭7 となって起承転結の転に入ると Am7-5 → A♭m6 → Gm7 → C7♭9 と2拍ずつ展開。「ひとところにはとどまれないと」という歌詞の通り、ここまでのゆったりした流れが動き出す。でもすぐに、「そっとおしえながら」再び Fm7 → Fm7-5/B♭ というツーファイブから元の循環へ戻っていく。

曲全体では2コーラス目からリズム隊が入り、春夏秋冬を一巡したらキーを半度上げてもう一段盛り上げるが、最後はまた春が来て「あなたへの想いを噛み締めたまま」終わるのである。

色んな事があって心が揺らぐこともあるけど、季節は巡り、人生は続いていくのですなぁ。
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by HarryBlog | 2009-02-08 21:35 | Practice | ↑Top  
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針生 徹

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