新井英一
10 年ぐらい前に筑紫哲也に気に入られてニュース 23 のエンディングに使われてブレークしたので聴いた事がある人も多いと思う。
在日韓国人で、15 歳で家出、岩国基地前でバイトし、アメリカに渡ってブルースに出会う。内田裕也に見出されてデビュー。
ワシが最初に聴いたのは 15 年ぐらい前だったか?
小さなジャズバー、特に彼を聴きにきた訳ではなさそうな 15 人ほどの客から 2m ぐらいの椅子、生ギター一本で唄うど演歌ブルースに震えてしまった。
「ジプシー」という歌詞が耳にこびりついた。自主制作のテープを買い、辛い事があったりしたとき、これを聴いて元気付けられた。
ワシを連れていってくれた人もすっかり惚れ込んでしまい、以後彼が毎年東北に呼ぶ。毎回打ち上げに一緒させて貰うが、とても気さくな人だ。今年もそろそろ案内が来る頃だな。
この人の唄は絶対に生で聴くべきだと思う。できれば小さなライブハウスで酒を呑みながらがいい。声が直接腹に響いてくる。長年コンビを組んでいる高橋望クンのギターとの絡みも絶妙だ。
50 歳代半ばかな? でも声はエネルギーに溢れている。普段音楽なんか聴きに出なさそうな街のおばさんでも涙を流させるパワーがある。
いつも聴く音楽ではないのだが、どうにも忘れられない男である。