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ITコーディネータ 針生徹 の blog
回顧録 (9) :イベント屋
そう言えば、回顧録が放ったらかしだった。

前回まで:ビジネスモデルチェンジ

ワシが会社を設立した 80 年代後期はバブルの真っ最中である。コンピュータはまだ高価であったが、ベンツに乗るのと同じようにステータスシンボルとして売れていたような気がする。

世界最大のコンピュータメーカーから新しいマシンが発表され、ショールームを開き、東北各地でデモやセミナーを開催することになったが、即戦力が足りない。大量採用して熱心に教育しているが、経営者と業務・システム担当者の両方と話ができる人材が必要なのだ。

という訳で、ワシに白羽の矢が立った。最初の仕事の実績とサッカー仲間の人脈のお陰だろう。いい仕事をすれば、買って貰えた時代だった。

営業推進センターという部署からの契約だった。仙台事業所にあるが、組織上は本社機構の直属だった。現場の営業、SE はどうしても取引顧客やセリング中の案件に掛かり切りになってしまうので、もっと広範囲・長期的なマーケティングの仕組み作りがミッションであった。

メンバーも雑多で個性的だった。技術・営業・業務上がりが各1名、シニアの SE 1名。PC 系 SE が2名。ホスト系 SE は新人2名。PC 系契約インストラクターが3名。ホスト系の業務委託でワシともう1名。

要は何でも屋である。一応ワシはパッケージソフトの環境設定とデモ担当なんだが、シニア SE はほとんど社内に居ないし、若手 SE では質問に答えられない事も多く、マシンや施設全般の管理だけでなく、営業のセールスサポートにも頻繁に呼ばれた。

営業企画も手伝う。企業データベースを色んな角度で抽出し、適当な、と言ったら怒られるが、それらしい企画をブチ上げる。予算が通ると、会場、講師、パートナー手配、DM 発送、社内告知等。面倒な事も多いが、それまで経験の無い事ばかりで勉強になった。

地方巡業は楽しい。セットアップから後片づけまで張り付くんだが、時間は決まっているし、終われば打ち上げと称する社内接待で各地の味覚を楽しんだ後、地場の担当者に連れられて怪しい街へ。

時代も良かったから、毎週どこかで何かしらやっていた。二人居た企画担当者がそれぞれ勝手に企画するんで、移動は大変だったけどね。

仙台事業所のワシの机も丁度国分町の灯りが見える位置だったんで、もうとにかく毎日吸い込まれてしまっていた。いい時代でそれなりに稼がせて貰ったけど、全て夜の街へ還元してしまったなぁ。
by harryblog | 2004-06-20 06:37 | Memoir | ↑Top  
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針生 徹

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