ITコーディネータ 針生徹 の blog
満中陰
人は死んでもすぐには成仏できず、七日ごとをひとつの節として供養・追善をし、この七日間を七回繰り返してようやく次の世に生まれ変わる、この六道輪廻の終了という風習がいわゆる四十九日法要である。

しかし、真宗では阿弥陀如来の救いにより息を引き取ると同時に浄土へ往生する、という教えなので、追善という意味ではなく、故人の遺徳をしのび、人生の意義について考える法縁として捉えられている。

まぁ、宗教とは関係無くとも、悲しみを乗り越えてこれからどう生きていくか、残された者が心を整理でき、死後の色んなドタバタも落ち着いてくる、丁度良い時期ではあるな。


夜を徹して運転して朦朧とする頭に響いてくる読経は子守歌のようで、もう欲も得も無い、このまま床でも道路でも寝られるぜぃ、というまさに自我から解き放たれた状態となった孝行息子に見送られるなんて、故人もさぞかし喜んでくれたに違いない。


a0008364_1993180.jpg彼女の家での居場所として、仏壇を誂えた。

満場一致で、漆塗り金ピカゴテゴテなのは嫌だということで、姉の知り合いの指物師に頼み、自然木の手作りで、シンプルな中にも神聖な威厳のある、良い物が出来上がった。

一応、本尊の掛け軸は購入したが、本願寺の方向だの、位牌は用いないなどの真宗の教えには拘らず、また仏具は何が必要とか、写真を飾っちゃいけないとか、そういうしきたりにも従ってはいない。そんなものよりも家族の気持ちの方が大事だろう。庭の見える窓際が彼女にお似合いだよ。


法要を済ませ、納骨へ向かう。あの、大騒ぎして探し当てた墓地である。土曜日だというのにかなり渋滞する道から山へ登った小さなお寺。こちらは曹洞宗であるが、本堂の何十倍もの敷地があり、ほとんど墓苑の分譲で成り立っているようだ。

予定時刻を大幅に遅れて着いた為、ワシが麓の本堂脇の事務所へ受付に行っている間に納骨は終わってしまっていた。「中はかなり広いから、徹も入れるよ」 ああそうですか。見れなくて結構だよ。


a0008364_19102081.jpg墓石は、親父の知り合いの彫刻家にお願いし、碑銘も親父の仲間の美術家によるもの。

姪と一緒に真鶴の石切場まで行って選んできた本小松石を、なるべく切り出した自然のままで置いた。花入れ、香台とした石も姪が選び、墓地内のレイアウトも石屋と相談して決めたそうだ。

この本小松石は、富士山の爆発によって出来た石なんだそうである。溶岩は関東一円にあり、マグマが地中にて固まったものであるが、通常上層部で固まったものは新小松と言われ家屋敷の土台等に使われ、地下深い所のその上質なものが本小松石。安山岩で、石灰質の部分が風化して自然に戻るというのが墓石に使われることのいわれらしい。光の当たり具合、気候や湿度によっても石面の表情を変え、歳を重ねるとさらに味わいが出てくる生きている石なのだそうだ。


多くの皆さんのご厚誼を賜ったお陰で無事に忌が明けた。この場を借りて御礼申し上げます。

入院から半年、色んなことがあったけど、それぞれができることをやって精一杯生きていきなさい、と語りかけてくるような遺影の笑顔に見守られながら、ひとまずこれで日常へと戻ろう。




a0008364_19111092.jpg

[PR]
by HarryBlog | 2005-10-02 20:18 | Family | ↑Top  
<< 引き継ぎ ページの先頭 明星 >>



針生 徹

Writer's choice
Harry corporation
Study room
Twitter
Facebook
Tumblr


エントリ内容に無関係と判断したコメント、トラックバックは削除します
記事ランキング
最新の記事
開会式
at 2015-01-31 17:53
針生一郎と戦後美術 - 宮城..
at 2015-01-18 17:22
回顧
at 2014-12-27 22:36
プライスレス
at 2014-01-03 07:31
謹賀新年
at 2014-01-02 09:20
蹴球興業
at 2013-09-21 22:27
スマートですかねぇ?
at 2013-08-07 21:42
遭難記録
at 2013-08-04 20:50
リバイバル
at 2013-08-04 11:06
出稼ぎ
at 2013-08-04 10:56
最新のトラックバック
RSS入門生(1):By..
from Rosslyn Papers
Flipboard
from Rosslyn Papers
忘年会
from nest nest
とりあえず
from nest nest
update
from nest nest
水筒
from nest nest
針生一郎さんが亡くなった。
from 今日、考えたこと
針生一郎さん
from 今日、考えたこと
針生一郎氏逝去
from にぶろぐ
針生一郎さん
from 今日、考えたこと
カテゴリ
以前の記事
人気ジャンル
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31