海岸から道路へ抜けようと藪を越えたらグラウンドのような野原へ出た。
「動くな!」
「あ゛?」
突然の声に振り返ると、肌の色と同じカーキ色に身を包んだ青年。
こっちに向けて突き出された黒光りする棒 じゃなくて 銃?
「何をしている!」
「……、と言われても……」
日本語だって出てきやしない状況。言葉に詰まる。
「即座に立ち去れ!」
「あ、はい」
出口の見当を付け、歩き出そうとすると
「こら、止まれ! 撃つぞ!」
再び顔を見る。若者はまさに撃とうと銃を構えた。
その冷たい目の光で、ワシは金縛りのように動けなくなってしまった。
「…………」
「…………」
銃の先端が煌めいたと思った瞬間、視界の全てが真っ白になっていく。
「うわぁっ!」
と目覚めるいつもの朝。おはよう。