今日は長男君の 12 回目の誕生日。もう一回りかよ。早いねぇ。
「お腹が痛くなってきたんだけど…」
仕事で疲れて帰ると、奥さんが腹をさすっている。
「食い過ぎたんじゃねぇの?」
予定日はまだだいぶ先だ。早まるにしたっていきなりってことは無いだろう。
「寝るぞ!」
夜中に起こされる。
「やっぱり痛いから病院に電話したら、すぐ来なさいって」
女体の神秘には勝てない。診察を受けると紛れもなく陣痛だそうだ。
「まぁでも早くても朝になりますから、旦那さんは一旦お帰り下さい」
そうだろうな。一人で帰宅したが、目が冴えてしまった。翌日の為になんとか眠ろうと布団へ潜り込み、ようやく微睡んだ頃に電話のコール。
「おめでとうございます。元気な男の子で、母子ともに順調です。」
なんだよ、2時間しか経ってないじゃないか。もう明日でも一緒だな。
翌日、ようやく出会えた猿顔に「えー? ホントにワシの子供かぁ?」と思いながら、2,600g の小さな身体を抱き上げた瞬間、奴が放つ気が伝わってきて胸からこみ上げる。はじめまして。
どの子も等しく愛しているが、この想い出だけは格別なんだなぁ。
おめでとう!