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ITコーディネータ 針生徹 の blog
Going Thai Way
タベルナ

最後の晩は 3P になった。宵越しの銭を持ってたってしょうがないからね。黒髪、色白、碧眼の絵に描いたような美形と、もう一人はアフリカ系との混血だろうか、エキゾチックではあるが、腋臭がぁぁぁぁ…

スター気取りでいい気分なんだが、連日の疲れか、一向に終わりそうにない。抜ける寸前の腰を叱咤して、なんとか制限時間内で終わらせたけど、なんか義務を果たしただけのような徒労感。何事もほどほどがいいようで。

次の日、バンコックへ向かう板前が荷造りするのを無言で見守る三人。またリビアの監獄へ戻らなければならない二人の心中を察すると、パキとは言え、日本に帰るワシの口から出る言葉は無かった。

楽しい時の過ぎるのは早い。いつかは終わりが来ると知ってはいても、今という時間がいつまでも続いて欲しいと願う。

そうだな、分かったよ。彼らの分までワシが遊んでやらなきゃいけないんだ!

ワシは決心し、空港へ板前を見送りに行くときには、何故か全ての荷物を抱えていた。もう、パキなんか乗らんぞ!

板前がチェックインしている隣で、「あのぅ、ワシも乗りたいんだけど…」と言うと、JAL の日本人のネェちゃんは「なんだこいつは?」という目で一瞥し、傍らの男性を肘でつついた。

「では、こちらへ」男の職員についてエレベーターに乗り、3階の事務室へ入る。あ、なんかブラジルの帰りにビザ無しでニューヨークに降りた時の雰囲気を想い出したぞ。あんときは警官と一緒に一泊させられたんだぜ。

予想に反し、クレジットカードを受け取ると、カタカタと端末を叩いてすんなり発券してくれた。なぁんだ、国際線でも気まぐれ旅行は楽しめるんだねぇ。もっとも、値段はパキの往復より高かったけど。

ヒラヒラとチケットをリビア組の鼻の前へ見せびらかした時の爽快感ったら無かったねぇ。奴等の唖然とした顔は今でもはっきり覚えている。

どうだ? 持つべき物は親友だと実感しただろ? クッククック…
by harryblog | 2004-04-16 21:11 | Travels | ↑Top  
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針生 徹

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