中学の頃は LED ZEPPELIN や DEEP PURPLE などのハードロックが大流行で、もちろんワシも熱中したもんだが、大人ぶってみたい年頃としてはもっと渋い音楽も求めていた。
で、背伸びしてジャズ喫茶などに入り浸ってみたりするが、でっかい JBL の前で目を瞑って身体を揺らす大人達の姿もなんか笑ってしまい、彼等が好むコルトレーンやマイルスなどの良さも分かりはしなかった。
そんな中、友人の親父が仕事で海外へ良く行くとレコードを買ってくるのだが、そこで聴いたジョアン・ジルベルトにハマってしまった。
なんか気怠そうなのに、ちょっとウキウキしてしまうボサノバのリズムに抑揚の無い彼の声が絡むと何とも言えないお洒落な雰囲気で、まさにワシが求めていた音楽だった。
仮の妻となったアストラッドやスタン・ゲッツとの共演の方が有名だが、ワシにとってボサノバとは、やはりジョアンの声とギターでなければならないのだ。
昨年ついに日本公演が実現したが、残念ながらワシは観に行けなかった。
ま、いいさ。神の声はワシの心の中でいつでも響いておる。