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ITコーディネータ 針生徹 の blog
蟻塚
ピラミッドなどの遺跡を見ると、機械も無い時代にどうしてあのような物を創れたか驚くばかりだが、途方もない数の人間の力を毎日積み重ねていけば、とんでもない結果が得られるのだ。

採掘現場を見たとき、そんな事を思ってしまった。かなり大きい一つの山が無数の蟻に喰われて原型を留めていないのだ。山そのものを神殿に変えようとしていたのだろうか? ちっとも神々しくも美しくもないのだが…

しかも、実は見えている部分よりも地下の方が浸食は激しかったのである。

例によって、ブラジル気質である。計画や協調性などかけらもある筈がない。どの辺りが掘られているかなど、誰にも分かりはしない。詳しい事は知らないが、採掘権というからには一応鉱区という物は設定されているだろう。しかし、地中にまで縄が張ってある訳じゃないからねぇ。

最初に縦穴を掘って鉱脈を探る。ここだ! と思う所で横穴を掘っていくのであるが、別の入口から同じ場所を目指す人間が居ても不思議は無い。むしろ、確かな鉱脈ならば皆が群がってくるだろう。まぁ、実際はそんな根拠に基づいて方向を決めていたとも思えないが。

掘り出す砂利からお宝を見つけるのだから、基本はツルハシとシャベルである。それをバケツリレーで地表まで運ぶ。映画「大脱走」でトンネルを掘っていた方法と同じですな。

掘り易い土ではなくて岩石質ではあるし、穴も広いから鍾乳洞という感じか?

固い岩脈にはダイナマイトも使う。ただでさえ、崩れやすい岩石層である。木杭で補強していくが、ほとんど気休めにもなっていない。ときおり、ド~ン! と誰かの発破の振動が響くと、もう生きている心地ではない。

この岩壁のすぐ向こう側で発破を仕掛けている奴が居ないなんて保証は全く無いのだ。実際、ワシの滞在中にも生き埋めになった奴が居たし。

やはり、とんでもない所へ来てしまったようだぞ。
by harryblog | 2004-04-04 19:08 | Travels | ↑Top  
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針生 徹

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